2015年1月12日星期一
天才・中島みゆきから最強の主題歌を得た朝ドラ『マッサン』はどこまで支持を伸ばすのか
天才・中島みゆきから最強の主題歌を得た朝ドラ『マッサン』はどこまで支持を伸ばすのか
不世出の天才歌姫・中島みゆき
「天才」という言葉は本来、軽々しく使うべきではない。自戒を込めて書くが、この言葉をテレビをはじめとしたマスコミは好み、安易に使い過ぎる。「天才子役」「天才少年棋士」「天才少女ゴルファー」---。しかし、天才とは類い稀なる能力を持つ超人であり、そう簡単には現れない。天才が5年後、10年後に普通の人に戻ってしまうこともない。中島みゆき
けれど、シンガーソングライター・中島みゆき(62)は数少ない本物の天才の一人に違いない。仕事柄、音楽記者はもちろん、音楽関係者との付き合いもあるが、彼女の図抜けた才能を否定する人と出会ったことがない。誰もが賞賛する。不世出の歌姫だ。
デビューは1975年で、二枚目のシングルは「時代」。当時の中島はまだ23歳でありながら、この1曲に、諸行無常や輪廻など人間の営みの真理を凝縮することに成功した。どんなに言葉を並べても、簡単には説明できないことを易々と言い表してしまったのだ。この1曲だけで早々と天才であることを世に知らしめた。
しかし、「時代」は当時、約16万枚しか売れていない。ヒットチャート(オリコン)の最高順位も14位。天才は周囲から簡単には理解されないが、この曲も昭和元禄に浮かれていた世間にはピンと来なかったらしい。正直なところ、凡人の筆者にも当時はよく分からなかった。
ところが、この曲は世間がどう移り変わろうが、色褪せることなく、聴き続けられ、歌い継がれ、幾多の人の心を癒やした。日々が順調で浮かれているときには忘れてしまいがちな曲だが、挫折や深い悲しみに直面すると聴きたくなり、耳にすることで救われる。誰にでもこの曲の意味が分かる日が来る。3.11で列島が絶望感に包まれたときにも大勢の人々に聴かれ、歌われた。中島みゆき
流行歌は世間を写す鏡だが、「時代」の場合、世間が後から追いついてきた気がする。文化庁などが「日本の歌百選」に選んだのは2007年になってからのことだった。
同業者も不朽の名作と認めているようで、カバーした歌手は数え切れない。岩崎宏美、工藤静香、薬師丸ひろ子、徳永英明、八神純子、大橋純子、一青窈---。
教科書にも載り、小中学校の卒業式でもよく歌われるらしいが、これは教育委員会や教師の後押しに過ぎないだろう。
♪だから 今日は くよくよしないで 今日の風に吹かれましょう
こんな一節に涙する老成された小中学生がいたら、ちょっと気持ち悪い。この曲は蹉跌をいくつか経験しなければ、その意味が分からない気がする。逆に一青窈を知らない80代、90代が聴いたら胸を突かれるに違いない。
軽快な人生の応援歌「麦の唄」
絶好調のNHK朝の連続テレビ小説『マッサン』の主題歌「麦の唄」も中島だ。朝ドラの主題歌はその時代の人気歌手が歌うのが通り相場だが、中島はデビューから39年が過ぎてもトップランナーであり続けているのだから、それだけでも驚愕に値する。
中島本人はNHKを通じ、こうコメントしている。
「『ほんとに朝っぱらから中島でいいんですか !?』と驚きました。感激と恐縮とで冷や汗を流しながらレコーディングしました」
たぶん、謙遜であり、本心ではないだろう。確かに中島は過去に「わかれうた」(77年)、「ひとり上手」(80年)などを歌い、安直な向きは一時期、「暗い」というレッテルを貼ったが、「最後の女神」(93年)、「銀の龍の背に乗って」(2003年)、「宙船」(2006年)など力強い人生の応援歌も数々歌っている。硬軟自在の人だ。こう言ってはなんだが、朝ドラの主題歌などお安い御用だったのではないか。「冷や汗」など無縁だろう。
そもそも「わかれうた」も暗くはない。聴く側が考え込まされてしまうだけだ。中島みゆき
♪残されて 戸惑う者たちは 追いかけて 焦がれて 泣き狂う
捨てられたことのある人も、捨てたことがある人も、聞き流せない歌詞だ。相手は恋人に限らない。親兄弟、友人、同僚---。誰でも長く生きていたら、すがっていた相手を捨てたり、逆に捨てられた覚えの一つや二つはあるはずだから、考え込まずにいられなくなる。
中島の一部作品はBGMに向かない。仕事や家事の手が止まってしまう。寝る前の読書に安部公房や大江健三郎の諸作品が向かないのと似ている。
しかし、「麦の唄」は違う。硬軟自在の人だから、軽快な人生の応援歌を作りあげた。中島はNHKを通じ、こうも語っている。
「できる限りさわやかに仕上げたつもりではありますが、なんでしたら、夜の再放送もございます」
中島らしいウィットに富んだ言葉だ。現在も月イチ放送中の『中島みゆきのオールナイトニッポン』でユーモアを振りまいている彼女らしい。「朝っぱらから中島でいいんですか」どころか、老若男女が見る朝ドラらしい歌詞、曲調で、明るく、清涼感に満ちている。
♪麦は泣き 麦は咲き 明日へ育っていく
しかも、大きなクセのない楽曲だから、毎朝聴いても飽きがこない。たぶん、中島は繰り返し聴かれることまで計算し尽くして作詞・作曲しているのだろう。
同じく「麦の唄」の以下の一節はマッサンこと竹鶴政春(玉山鉄二)とエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)の生涯を思わせる。
♪懐かしい人々 懐かしい風景 その全てと離れても あなたと歩きたい
エリーは愛するマッサンと人生を歩むため、スコットランドから異国の日本で暮らし始めたが、そんなストーリーと合致させている。おまけにイントロはスコットランドの民族楽器・バグパイプの音色が入っているのだから、心憎い。『マッサン』にとって、これ以上の主題歌はないはずだ。中島みゆき
また、マッサンとエリーでなくたって、誰かのために全てを投げ打った人、あるいは投げ打っても構わないと思った人は少なくないだろうから、この歌はドラマを見ていない人の胸にも届くはずだ。やはり計算し尽くされている。
主題歌を歌わせても最強の人
「朝っぱらから中島でいいんですか」と言った中島は、同じNHKのプライムタイムで放送された『プロジェクトX~挑戦者たち~』(2000年~2005年)でも主題歌の「地上の星」を歌い、ビジネスマンの胸を振るわせた。この番組は経済大国ニッポンを築き上げた人々を描いたが、「地上の星」は働くすべての人を鼓舞するメッセージのように聞こえた。
♪つばめよ 高い空から 教えてよ 地上の星を
幾通りにも読み解ける歌詞だった。地上の星とは、ビジネスを成功に導くカギ、あるいは仕事で目指すべき到達点、または生きるための道標---。
いずれにせよ、この番組に見事なまでに合致した曲だった。この曲の一節を聴くだけで、番組の一場面を思い浮かべる人は少なくないだろう。中島を不世出の歌姫と書いたが、テレビ番組の主題歌を歌わせても最強の人である気がする。
日本テレビ『家なき子』(1994年)の「空と君のあいだに」もドラマに見事なまでに合っていた。主人公の少女・すず(安達祐実)は、人の温かい言葉が信じられず、盗みまで働く。こう簡単に書いてしまうと、救いようのない少女だが、本当は病気の母親(田中好子)を愛する健気で純粋な聖女だった。そんな物語の全体像を、「空と君と---」は表していた気がする。サビはこうだ。中島みゆき
♪君が笑ってくれるなら 僕は悪にでもなる
この一節にドラマの主題が込められていたと思う。「善」と「悪」は主観に過ぎず、たとえば愛する人を救うために盗みを働けば犯罪だが、愛されている側としては「悪」と思いにくい。一部では不当にもキワモノ扱いされたドラマだったが、「善悪とは何か」という重たいテーマと真摯に向き合った逸作だったと思う。最終回の視聴率は37.2%。歴史に残るこのドラマを下支えしたのは、「空と君と---」にほかならないと思っている。
故・野沢尚氏が脚本を書いたフジテレビの名作ドラマ『親愛なる者へ』(92年)における主題歌「浅い眠り」も白眉だった。このドラマは、夫婦がそれぞれ伴侶とは違う異性に思いを寄せてしまう物語だったのだが・・・
♪ああ二人 気づかない 失ってみるまでは 誰が一番ほしい人なのか 何が一番つらいことなのか
直接的な言葉を一切使うことなく、夫婦の危機を表した。やはり、天才・中島は、主題歌を歌わせても最強の人にほかならないだろう。
「ほんとに朝っぱらから中島でいいんですか !?」などと心にもないことを口にした中島が歌う最新作「麦の唄」。最強の主題歌を得た『マッサン』がどこまで支持を伸ばすのか注目である。中島みゆき
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