2014年11月30日星期日

壮絶ながん闘病を経験した大橋巨泉氏 「賭けに勝った」

壮絶ながん闘病を経験した大橋巨泉氏 「賭けに勝った」  昨年11月、扁桃(へんとう)に中咽頭がんが見つかった。大橋巨泉さん(80)にとって、9年前の胃がんに続いて2度目のがん告知。これには「目の前が真っ暗になった」と言うが、克服した。最近は執筆、テレビ、ラジオ出演と、徐々に活動を再開している。凄まじい闘病生活と今の日本の危うさについて、思いの丈を語ってもらった。大橋巨泉 「最初はまったく自覚症状はなく、頬杖をついてテレビを見ていたら、小さいしこりのようなものに触れてね。精密検査を受けたら、なんと結果は中咽頭がん。ショックだったけど、見つかる確率は1%というし、同じ『ステージ4』でも、『4-B』『4-C』だったらまず助からないと聞き、“自分にはまだ運がある”とも思ったね」  担当の松本文彦医師(国立がん研究センター)が答えた「完治します」の言葉を信じ、早速、治療プランに入ったという。 「死んだ方が楽」と初めて思った 「がんの治療は、いまや“何でも切る”という時代ではないらしく、転移したリンパ節のがんだけを11月中に切り、12月から放射線治療を始めた。35回にわたる放射線治療は副作用が本当につらく大変で、80年間の人生で初めて“死んだ方が楽かもしれない”と思った」  舌の右側にやけどのような口内炎ができ、ヒリヒリ痛む。唾液腺がやられて、口中が乾いて声も出なくなる。味覚をつかさどる味蕾(みらい)もやられた。大橋巨泉 「大好物のアンパンを口に入れたら、モゴモゴして、まるでスポンジか木片を食べているみたいで、とてもじゃないけどのみ込めない。2月3日にようやく放射線治療が終わり、少しずつ塩味、苦味、酸味が戻り始めたけど、甘味はなかなか戻らず、チョコレートは甘くなく苦いだけの板、アイスクリームは冷たいだけの塊でした」  愛妻の寿々子夫人(65)が作ってくれる野菜ジュースとスープ類だけが“命綱”で、手術前に72キロあった体重は15キロ落ち、57キロに。鍛えてきた大腿(だいたい)四頭筋は衰え、階段を5段上るのが精いっぱいという“生ける屍(しかばね)”になってしまった。 「死んだ方が楽」と初めて思った 「アヘンアルカロイド系のオキシコンチンという鎮痛作用のある“麻薬”を12時間おきに服用したら、副作用で1日20時間くらいベッドでうとうと寝てばかり。起きている時間もソファに横になって、僕が司会をやった『HOWマッチ』や『クイズダービー』のDVDをボーッと眺めているだけ。こうなると、運動不足とかの次元じゃなくて、1メートル先にあるCDさえ取ることができない。これはマズイと思い、重大な決断をするんです」 ■ニュージーランドに行って「賭けに勝った」  2月中旬、巨泉氏はニュージーランドに向かう。環境をガラリと変えてリハビリする道を選んだのだ。 「これが大正解だった。大雪が降っていた日本と違って、NZは気温24度くらいで快適。味覚を失った状態に変わりはなかったけど、とにかく食べて動くことに決め、ラム肉、牛肉などタンパク質を中心に、そば、うどん、パスタといった炭水化物も一生懸命食べた。そうしたら、2週間くらいで体重が増え始め、散歩も1キロくらいまでできるようになったんです。僕は“賭けに勝った”と思ったね。だって、NZのオークランド空港まで日本から11時間もかかるんだよ。主治医の松本先生は『行けるものなら行ってください』と突き放した言い方をしたけど、“ナニクソ”と歯を食いしばってつらい道を選んだ甲斐があった」  3月20日に日本に帰国すると、待望の「甘味」も戻り、4月24日は千葉のゴルフ場でラウンド。ハーフを45で回った。「徹子の部屋」「大竹まことゴールデンラジオ!」などメディアの露出も増やし、現在発売中の「文藝春秋」には、この国の右傾化に警鐘を鳴らす論文を寄稿する。 日本のマスコミは機能不全 「僕は、ポピュリズムの権化のような安倍首相をまったく信用しない。アベノミクスとかいって、やれ3本の矢だ、やれ成長戦略だとあおっているけど、動機が不純なんだよ。彼が心から景気回復を目指そうとしているなら反対しません。だけど彼にとって、経済はムードをあおる手段に過ぎず、本当にやりたいのは憲法改正であり、日本を『戦争ができる国』に変えることでしょう。実際、ニコニコして、口当たりの良いフレーズを並べておきながら、国民の過半数が反対した特定秘密保護法を強引に通してしまった。法衣の下に鎧(よろい)を隠しているような男の言動にだまされてはいけません」大橋巨泉 ■「すっこんでろ、このジジイ」と言われるくらいが健全  アベノミクスを正面から批判しないマスコミも同罪だという。 「日銀に大量に札を刷らせた人為的な円安によって、日本の生活必需品の値段は上がり、悪い面が次々と出始めている。それなのに、日本のマスコミは『春闘で給料上がった』とかチョーチン記事を書いてヨイショを続けているから、本当に愚かだと思う。企業をドーカツして賃上げさせる統制経済みたいなまねを批判するのが、メディアの仕事じゃないのか? 日本のマスコミは機能不全に陥っていると思う」 日本のマスコミは機能不全  今の日本を覆う「空気」も危ないという。 「こう言うと『巨泉は左だから』と片付けようとする人がいるけど、競馬やマージャンをテレビで推奨した男のどこが左だっていうんだよ。日本の軸が大きく右にブレたから、僕が左に見えるだけ。それは違う、おかしい、というマトモな批判さえ許さない戦前みたいな“空気”を今の日本に感じる。大体、病気で出ない声を振り絞って、僕が『安倍は危ない』と言わなきゃならないこの世の中がどうかしている。本当だったら、『おい巨泉、おまえの言っていることなんざ分かってるよ。すっこんでろ、このジジイ』と言われるくらいの社会が健全なんだよ」大橋巨泉  そんな巨泉氏が期待するのは細川護煕(76)、小泉純一郎(72)両元首相の動向だという。東京都知事選で敗北しながらも政府の原発推進の動きに危機感を募らせ、今月7日、一般社団法人「自然エネルギー推進会議」を設立。再びタッグを組んで「脱原発」に向けて動き始めた。 日本のマスコミは機能不全 「僕は小泉君が米国の尻馬に乗ってグローバル経済に突き進むのを阻止しようとして、13年前、民主党から出馬したわけだけど、今の小泉君たちが掲げる脱原発の思いは本物だと思う。でなければ、功成り名を遂げた2人が、老体にムチ打ってあの極寒の中、都知事選の街頭に立てるはずないもん。大体、日本の電気代が世界中でダントツに高いのは原発のランニングコストが高いからだし、再稼働が極めて危険なのも事実でしょう。現実主義、実存主義の立場からも、僕は彼らを応援したい」  がんは完治に向かっている。これからの目標はあるのか。 「とりあえず快気祝いとボクの80回目の誕生日、傘寿の祝いを兼ねたパーティーを今月やるの。あとは週1ペースでゴルフができるくらいまで体力を回復させたい。先日、『それでも僕は前を向く』という本を集英社から出したばかりだけど、安倍政権の右傾化に警鐘乱打するような原稿をドンドン書き続けるよ」  このエネルギーには頭が下がる。 ▽おおはし・きょせん 1934年、東京生まれ。早稲田大学政経学部新聞学科中退。放送作家などを経て、「11PM」「クイズダービー」などの司会者として活躍。01年に民主党から参院選に出馬、当選するが、わずか6カ月で辞職した。大橋巨泉 カナダグース レディース 2014 カナダグース 人気 色 カナダグース 予約 2014 カナダグース バンクーバーの店 カナダグース ボーイズ,カナダグー ス 難波

没有评论:

发表评论